作業現場の可視化を通じた安全対策の高度化と現場業務の効率化
株式会社若港様は1967年8月の設立以来、北九州地方を中心とした地場企業として、港湾土木・浚渫を主体に地域の開発・発展に貢献されてきました。2021年5月には最先端のシステムを搭載し、船員の労働環境にも配慮した新造グラブ浚渫船「海響」が竣工。新しい技術の活用に積極的な若港様がAisea Constr.(船舶動静共有航行支援システム)を導入し作業現場の安全対策高度化と業務効率化に活用。この度、代表取締役会長 井川 臣治様、代表取締役社長 六田 啓二様、工事部工事係長 梅野 健太郎様に、サービス導入への想いやご利用いただいた感想について伺いました。
システムがあれば、誰でも仕事ができるというのが一番
若港様のご紹介
井川様:本年で創立54年ということで、いろんな苦労を重ねて、皆様のおかげでここまでこれました。
創業当初は、業務の中心地が響灘の埋め立て地ということで、市の護岸の仕事を仰せつかったのですが、私が社長になって以降、浚渫を専門的に行っていきました。
地域としては、北九州地区、関門航路、苅田地区、大体県内の仕事が多いです。
2021年5月に竣工した新造グラブ浚渫船「海響」について
井川様:最新の考え方、すべての環境にやさしい船、というキャッチフレーズで行こう、と。
若い人たちが交代できる、システムがあれば誰でも仕事ができるというのが一番、という考え方を持って作りました。
新造船「海響」には最新のシステムを採用した他、女性専用部屋(左)やジム(右)を完備。
船員の労働環境改善に取り組んでいる。
Aisea Constr.(船舶動静共有航行支援システム)の導入経緯
井川様:東京へ行ったらある人からアイディアの下川部社長を紹介されて「ぜひ若港さんには必要なのでどうですか」と。早速1時間くらい下川部社長と話し「素晴らしい、我々が求めていたものだ」ということで、すぐに導入という話になりました。
今後も含めて、アイディアさんにはIT関係のご指導を願いたい。お互いに組めたらよいな、という想いでおります。
関門航路の工事を実施する上で、大事なシステム
システムの印象について
六田様:私も現場の方でみさせていただきました。過去使っていたシステムに比べて、鮮明さと反応の速度が格段に違っていました。
Aisea Constr.の端末を持った船にカメラや他の機器を接続すると、情報全てが共有できるという点が他のシステムに比べて格段に進んでいると思いましたし、衝突防止の機能もついているので、関門航路の工事を実施する上で大事なシステムだと思いました。
遠距離の運搬や船舶の多い浚渫工事では、効果が大きいと思っております。
どうしても浚渫は海上運搬があるので、土運船とのやり取りの中で、お互いに情報共有して、どちらかが気づいてなければ運航管理者から連絡する等、二重のチェックができる点が良いなと思っております。
デジタルの力を借りてさらなる安全性向上を目指す
現場の作業船動静把握について
梅野様:Aisea Constr.導入前は、工事船舶がどこの位置で作業しているのか、都度電話をして確認している状況でした。
他の船の動きも陸上からは把握することはできなかったので、工事現場をリアルタイムかつ俯瞰的に把握することは難しかったです。
Aisea Constr.を導入したことで、工事船舶がどのように動いているのか、いつでもどこからでもリアルタイムで把握することができるようになり、都度船舶に電話することなく、業務をスムーズに進めることができるようになりました。
現場の安全対策について
梅野様:Aisea Constr.導入前から、目視・レーダー監視で十分に注意を払って安全対策を実施していました。
Aisea Constr.導入後は、従来通りの目視・レーダー監視による安全対策は徹底しつつ、デジタルの力を借りてさらなる安全性向上を目指しています。
例えば、事前にAisea Constr.の地図上に工事区域をプロットすることで、一般航行船舶が近づいてきた際にアラートで教えてくれるようになりました。
引き続き、Aisea Constr.とともに、工事現場の業務効率化、安全性向上を推進していきたいと思っております。
今後に向けて
六田様:地域に根差した会社で、若松で浚渫会社といったら若港、と言ってもらえるように、いい製品で、安全に、実績を積んでいきたいと思っておりますし、
関門の浚渫をやっているという責任を持てる会社、安全に仕事ができる会社、そういう会社が若松にあるということを皆様に知ってほしいと思いますね。
(アイディアとは)今後も船のデータを共有し、お互い開発に持っていけるように注文を出していきたいですし、一緒に開発ができたらいいな、と思っております。